「年間100曲」ペンギンスのコーライトな日々

コーライティング(Co-Writing)で年間100曲を完成させ、職業作曲家としてメジャーアーティストに楽曲提供しているペンギンスが、毎日のコーライティングで想うことを書いてます。

続・努力と勇気のバランス具合について

 こんばんは、作曲家のペンギンスです。
 前回のブログ記事「努力と勇気のバランス具合について」について「コーライティングセッションにおける努力と勇気が語られてない」とコメントをいただきましたので、コーライティングセッションに話を絞って追記してみたいと思います。
 コーライティングセッション(トラックメーカーの自宅でのセッションや、コーライティングキャンプなど、対面型全部を含みます)での努力と勇気という意味では、「限られた時間でスピーディに制作する努力」「事前に下準備して当日スムーズに進められるようにする努力」といったものは努力の分野になるんじゃないかと思います。
 いっぽうで勇気ですが、コーライティングセッションで必要な勇気というのは大まかに言うと「はっきり自分の意見を言う勇気」だと思うんですね。これだけなら努力すれば割とみんな言えるようになってくると思うんですが、、、その中でもやはり「ボツにしてやり直そうと言う勇気」が一番ポイントになってくるんじゃないかなと思います。
 一度作ったメロディーをボツにする勇気、仮歌のデータをボツにする(仮歌をその場で替える)勇気、方向性ごとやり直す勇気。チームで進めている以上、ボツにする勇気というのは「ボツにしようと言う勇気」というのと同義です。喉まで出かかった言葉をちゃんと言いましょうってことですね。
 で、これが簡単にできれば苦労はしないわけで・・・やっぱり面と向かって「これは良くないから変えよう、やめよう」というのはプレッシャーを感じますよね。自分の経験上ではいくつかのパターンがありました。

1.元はといえば自分が出したアイデアなので、ボツと言い出せない
 これはありますよね。自分が出したアイデアだけど冷静になってみたらボツだろうなこれはという・・・こういう時にどれだけ平然と「さっき俺がいった案はヤメ」と言えるかがクリエイターとしての強さな気がします。

2.人が強烈に推してきたアイデアなので、ボツと言い出せない
 これもあるあるですね。かなりの情熱で誰かが言い出したアイデアだと、それをボツにするとその人を否定したことになりそうで、という・・・こういうときは「意見を否定するのであって、人を否定するわけではない」という原点に立ち返りたいですね。

3.先輩だったり売れてる人が言ったアイデアなので、ボツと言い出せない
 これはたまにあります(笑)。さすがに皆さん一理あることを言ってはいるのですが、でもどうしても感覚的に納得できない点があったりする場合ですね。これは対応もベストな回答が難しいです。時にはその人が抜群に成果をだしているターゲットだったりジャンルだったりしたら、「まあ、この船に乗ってみるか」ということでボツと言いださずに乗っかることもあるでしょうし、まぁ、難しいですよね(笑)。

以上です。コーライティングセッションでも、地道な努力だけでなく、ここぞの大事な場面で堂々と自分の意見を言えるようになりたいですね。

【次回予告】
次回は「ワークスウェイの話をしようか」です。