「年間100曲」ペンギンスのコーライトな日々

コーライティング(Co-Writing)で年間100曲を完成させ、職業作曲家としてメジャーアーティストに楽曲提供しているペンギンスが、毎日のコーライティングで想うことを書いてます。

作家対談企画・with長沢知亜紀「もうね、みんなコーライトしたらいいと思いますよ」第1回「コーライトとの出会いと驚き」

曲で驚かせてやりたいが私の原動力(長沢)

 

ペンギンス(以下「ぺ」):改めてまして今日は対談を受けていただきありがとうございます!このブログのなんというか、テコ入れというか(笑)。ちょっと変化をつけるための企画ということで、やっていければと思いますので、よろしくお願いします。

 

長沢知亜紀(以下「長」):よろしくお願いします(^^)

 

ぺ:自分ひとりで書いていて気づいたんですけど、ネタってすぐなくなるんですよね(笑)

 

長:確かに。。。ここでブログもまさかのコライトですね!笑。

 

ペ:いやほんとに(笑)日本初のコーライト・ブログと銘打った以上、コーライトに関する話題を書こうと思っているのですが、気がつけば作曲そのものの話題とか、なんか意識高い話題とかも結構多くて(笑)。コーライト、ずっとやってて、特別感がないから、今更語るのも難しいというのもありますね。

という感じで入って行くんですが・・・長沢さんとコーライトの出会いについて教えていただければと!

 

長:そもそも私はバンドマンでした。高校生の頃から作詞作曲家になる2年前の春まで、バンドでオリジナル曲を作っていたのでコーライトとゆう概念だけで言うと、バンドを始めた高校生の頃から、とゆうことになります。バンドでは、作詞は私が行うことが多かったですが、作曲はスタジオのセッションで作ることが多かったので、メロディを出し合うとゆうことやアレンジすることはずっとコーライトだったといえますね。そこから作詞作曲家に転向するのですが、作家としてのコーライトはこの時、山口ゼミで出会いました。

 

ぺ:なるほど。バンドで曲を作る場合って、誰かがもう、一人でハイ!で作る場合と、みんなで作る場合があるじゃないですか。後者だったんですね。その経験があると、コーライトという名前を知らなくても、話はだいぶ早いですよね。

 

長:そうですね。むしろ作家になったときにみんなひとりで作るんだくらいの感覚でしたね。笑。

 

ぺ:そうか、逆に(笑)どこスタートかで、その感覚は違いますね。僕はバンド経験もあるけどむしろボカロPとして経験してきたもののほうが多かったので、作曲=DAWでひとりで曲を作ることでした。

 

長:なるほど!作曲との出会いでいったら私はYAMAHAのオリジナルスクールなんですが笑。ヤマハオリジナルコンサートがあってそれに出たくて。みたいな。でも、JpopJrockを作ったのは大学時代が中心だったので、セッションで作ったかなみたいなのが最後の記憶です。コーライトとゆうものもそうですが、DAWでの曲作りあがりか、バンドやSSWあがりか、の違いはありそう、、、!

 

ぺ:こうやってみてみると、作曲するっていうひとつの場所にたどりつくルーツが、一人一人違っていて。それが作曲ってどういうもの?っていうことに対するひとりひとりの考え方の違いになっていると思うんですよね。

だからコーライティングしていても、難しいなと思うのが、作曲するまでに通ってきた道のりが違う人と、どうやってゴールを共有するかっていう・・・

 

長:そうですね。ゴール共有は本当戸惑います!なぜってね、まず、CWFでコーライトするときにリファレンス決めるでしょう。「なんで、オリジナル曲作るのにリファレンス決めるの」って、思って最初の頃は絶対リファレンス立てなかったですね。謎の反抗(笑)。ゴール共有は大事だけど、オリジナルバンドで曲作ってきたひとって、ゴールを共有することすら拒絶反応ある人いる気がしたりします。wなので、リファレンスがあればいいってもんじゃない。

大切なのはありたい姿なのとは思ってます。それは、バンドも作家も同じかなって。違うのは、ありたい姿が、バンドは自分自身、作家は提供するアーティストであるくらいですよね。

 

ぺ:ああ、その話いいなぁ。作家をはじめて最初に感じた抵抗感って忘れがちだけどすごく大事ですよね。

ターゲットもね、作った曲がいい曲だけど、ターゲットとはちょっとズレていて、そういう時になんか「XX向けだけどもYYにも出せるような・・・」とかブレだしたりして(笑)。

あのなんだろう、やっぱり曲がかわいいですよね。自分の曲って。我が子。そうか、我が子が可愛いくて、のびのび育って欲しいんだけど、受験に合格させなきゃいけないみたいな(笑)。

 

長:子供のたとえ。笑。我が子ですよ、ほんと。とゆうかそう思えないとき、あぁ、私惰性で曲作ってんなぁって思います。もちろん、今ではリファレンスをたてますし、行きたい方向性は話します。コライトなので、ゴールイメージは共有しなくては、ズレてしまうので。

でも、基本的には曲で驚かせてやりたいが私の原動力なんですよね。だとすると、私が驚いてない曲はもはやイケてないんですよね。で、驚く驚かないを基準に考えたならば、リファレンスいる?ってなる。笑。なので未だにメロディと歌詞には絶対リファレンスはなくて、アレンジだけは参考にするくらいだなと思ってます。まじで、強みであり、弱みでもあるとは思ってるのですが。。。

 

「オナニー作家も多いですよね(長沢)

 

ぺ:ああなるほどね。リファレンスって超えるものであって、そこにたどり着いて終わりだったら、確かにちょっとね。これはコーライトというよりコンペの話になってしまうのだけど、「寄せる」って言葉、あるじゃないですか?「もっと寄せていこう」みたいな。それってつまり驚きとは基本、逆の考え方だと思うのだけど、そこはどうですか?

 

長:寄せる!笑。

 

ぺ:寄せる!笑

 

長:いや、寄せますよ。笑。

 

ぺ:ははは笑

 

長:私が一番かっこいいと思ってるのは、ルールの中で驚かせるなんです。

 

ぺ:うんうん。

 

長:無放地帯で驚かせたってそんなの何も需要ない。なので、寄せます。笑。でも、寄せる努力の仕方は工夫してるかもしれません。

 

ぺ:ああ、そこだよね。コーライトのとき、「寄せ方で意見が合わない」みたいなことは結構多いかも・・・。

 

長:メロディのだけ掴む・・・この寄せるはしてますね。私は永野小織さんとよくコライトしてますが、彼女とアーティストのメロコードコピー大会、よくしました。そしてふたりでmidiをにらめっこして、ここに特徴あるね!とか発見して、その特徴だけ採用するとゆうことはやりますね!

 

ぺ:あるねぇ、メロディの癖・・・

 

長:個人的には最大の寄せるは、仮歌だと思いますけどね。笑。

 

ぺ:ああ、それは演出面で最大の「寄せる」ですね(笑)本人かよ!っていう(笑)

 

長:驚かせるルールを考えたときに、過去のルールにのっとったらやっぱ驚かないんですよ。なので、トライしてほしい!とゆう思いをこめて、過去の規則スルーして、仮歌だけほぼ本人に近い、が、最高の形だと思います。

 

ぺ:そうか、この驚きを受け入れたときあなたはこうなる!実演!っていうことね。歌大事だね。

 

長:そうそう!!!

 

ぺ:というところで、事前に聞きたかったことのひとつにはいるのですが、「コーライトで、歌を担当するっていうことの意味合い」を聞きたかったんですね。そういう話に今なってきているなと思って。最大の寄せどころ、というのはなるほどですね。

 

長:歌担当としてはアーティストイメージできないなら歌わないもうこれが基本です。笑。私は歌う作家ではありますが、仮歌にご依頼することもたくさんあります。

 

ぺ:いいねぇー(こればっか言ってる)。だからあくまで自分も仮歌「候補」の一人っていうことだよね。

 

長:そうです!やっぱり曲が我が子なのでw 我が子がコケてしまうようなことは親ができるとしても、選択しない、曲のベストを尽くしたい。とゆう思いがあります。我ながら歌うけど、仮歌発注する作家はあんまりいない気がしてます。(男性ボーカルを外注するのではなく、女性で他の女性に頼む、とゆうことです)まぁ、歌い手にもプライドがありますから、たのまずに全部歌えたらベストです。w

 

ぺ:あーなるほどなぁ。曲という我が子に対する、過干渉w

親が勉強教えるより塾の先生のほうがいいよみたいなw

 

長:あー、もう素晴らしいたとえ!それです。

 

ぺ:適材適所っていう判断をするのが、まさにコーライトにおけるディレクションということですね。

 

長:そうそう!コーライトはそれを教えてくれますね。だから私は潔く、人にお願いしますよ!最初の頃はmixも外注してましたから笑。

 

ぺ:そのマインドがあるかどうかだと思うんだよね。ディレクションマインド。

 

長:目的はなんなの?とゆう本質的なことに常に向き合いたいわけです。ぶっこみますけど、オナニー作家も多いですよねと、思ってます。笑。

 

ぺ:ああー多い?笑

 

長:笑。

 

ぺ:でもほら、リリースものしかわかんないからさ。リリースされてるってことはオナニーじゃないってことじゃない。

 

長:あ、コライトするうえでってことかも!笑。作家多いってゆうか、自分も含めて、そうなっちゃうことがある。気をつけないと見失ってね...

 

ぺ:みうしなうね。なんかさ、どこを見失うか勝負みたいなとこない?笑 思わず衝動でやったほうがいい物事と、常にハンドルすべき点と。

 

長:そうそう。まぁ難しいですよね。見失わないと驚けなかったりもする


し。

 

あ!これはですね、コライトと自身のマインドコントロールの観点で「これはオナニータイプでいきます!」って宣言してます。この表現はどうかな?(笑)「やりたいことやります!」。

 

ぺ:ああそれは、今回のこの曲はもう好きにやります!っていうこと?

 

長:そうそう。そうやって宣言したらいいかなって。前に田辺望くんとコライトした曲で、「今回はシンガーソングライター感。以上で作らせていただきます」って宣言して作ったことあります。w

いやぁ、我ながらそゆのやりたいな、最近ね。予定調和以外がほしいんですよ。変なことしたいの。

(第2回へつづく)f:id:PENGUINS_PROJECT:20171118102042j:plain