「年間100曲」ペンギンスのコーライトな日々

コーライティング(Co-Writing)で年間100曲を完成させ、職業作曲家としてメジャーアーティストに楽曲提供しているペンギンスが、毎日のコーライティングで想うことを書いてます。

最初に出てきたアイデアに安易に飛びつくな!

 こんにちは、作曲家のペンギンスです。
 タイトルまんまの話をします。

 コーライトでは常にアイデアが求められます。「どういう曲を書こう?」から始まり、「このメロディーの終わりはどうするのがいい?」「歌詞をもっと印象的にするためにはどうすればいい?」「アレンジを盛り上げるためには何が必要か?」などアイデアを求める場面の連続です。
 で結構ここでやってしまうのが「アイデアが何か1つ出てきた時点で、それに決めてしまう」ということなんですね。もちろん最初に出てきたアイデアというのは直感や得意分野を生かしたものが多くて結構使えるのも事実なんですが、そうはいってもベストなアイデアとは限りません。でもコーライトの会話で例えば「こんな言葉を歌詞のキーワードにしたら良いんじゃないかな!」とか誰かが言い出すと、なんか、漂い始めるんですね・・・「それでいいや感」。
 何度も言いますが最初のアイデアで悪いという理由はないです。でもベストだという根拠はないです。だから最初に出てきたアイデアに安易に飛びつかずに、「もっといいメロディーはないか?」「もっといい歌詞はないか?」とギリギリまで考え続けることが大事だなと思います。
 とはいえ、おそらくその会話に参加しているメンバーだってそのくらいのことは考えてはいるとは思います。ただ、その「これがベストかどうかはわからないからもっと考えよう」というのを言いづらいという理由のほうが大きいんじゃないかなと思います。
 なので僕としては「そのアイデアの理由を掘り下げて聞いてみる」というのをオススメしたいと思います。「この歌詞がいいと思う」「いいかもね!この歌詞はどういう風に受け取られるんだろう?」「割れたグラスって書いたら、綺麗なイメージと、失恋の悲しいイメージが同時に表現できるから・・・」「なるほどね、だとしたら冬の曲だし、溶けていく雪のことを表現したほうが、季節感も綺麗さも悲しさもあって、もっと良いんじゃない?」「雪・・・?そうか!」と。
 会話の中でもっと良いものを自然とさぐっていくことができるとよいのではないかと思います。コーライトの成否は八、九会話(対面でなくても、チャットでもあっても)で決まると思っているので、ちょっとした会話のなかで名曲を作るチャンスを捕まえたいですね。

【次回予告】
次回は「『こう思う』『いや思わない』のループを抜け出したい」です。