「年間100曲」ペンギンスのコーライトな日々

コーライティング(Co-Writing)で年間100曲を完成させ、職業作曲家としてメジャーアーティストに楽曲提供しているペンギンスが、毎日のコーライティングで想うことを書いてます。

ワークスウェイの話をしようか -vol.2:なぜなぜ思考

 こんばんは、作曲家のペンギンスです。
 今日は「なぜなぜ思考」についてお話ししたいと思います。これは読んで字のごとくの側面が強いですね。でもこれも色々とコツがあるのでそこをお話ししたいです。
 作曲をしていると、さまざまなセオリーがあります。曰く「サビを最初に持ってくるといい」「サビの最初の歌詞が大事だ」「サブドミナントで始まるコード進行は使いやすい」・・・etc。いわゆる音楽理論と呼ばれているものもあれば、理論とまではいかなくても最近のヒット曲の定番になっているような手法もあったりします。
 またアレンジやミックスにおいても「このプラグインを使うだけで音が良くなる」「この機能はこういう設定にするとよい」といったTIPSのようなものが多くありますよね。最近ではYouTubeでこれらを簡単に調べることもできます。
 ただ、こういった「こうするとよい」「これがおすすめ」という情報を、ただ鵜呑みにしてしまうとメリットを出せず、却ってデメリットばかり増えてしまうことにもなりかねません。
 たとえばなんでもサビを最初に持ってきてしまったら、しっとりと聴かせたいバラードが台無しになるかもしれません。音が良くなるとしか理解せずなんでもプラグインを使ったらマシンに負荷がかかりレコーディング中にフリーズが多発するかもしれません。
 そうではなく「サビを最初に持ってくると、一番聴かせたいフレーズをまず覚えてもらえるから有利だが、あざとくなるリスクもある」とか「このプラグインは本質的にはこういう信号処理をするものだから、この場面では不要な処理だ」といったように、なぜそうするのか、理由までさかのぼって本質的に考えることが大切です。

 よく「テクノロジーやテクニックに使われるのではなく、使いこなせ」という言葉を聞きますが、これはまさに「ただテクノロジーやテクニックを受け入れるのではなく、なぜそれらのテクノロジーやテクニックが優れているのかの本質を理解しろ」ということだと思います。「定番のフレーズだから」「みんなが使っている機材だから」と追随することなく、コーライト中も本質的思考を繰り返して、何が本質で何が理想の道なのかをしっかり見極めていきたいですね。

【次回予告】
次回は「ワークスウェイの話をしようか -vol.3:コンティンジェンシープラン」です。

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