「年間100曲」ペンギンスのコーライトな日々

コーライティング(Co-Writing)で年間100曲を完成させ、職業作曲家としてメジャーアーティストに楽曲提供しているペンギンスが、毎日のコーライティングで想うことを書いてます。

なんのあてもなくドラムについて語る夜

 こんばんは、作曲家のペンギンスです。
 ビジネスというか理屈っぽい話ばかり続いてしまったので今夜はまったりと音楽的なことをそこはかとなく書いてみたいと思います。ドラムです。
 子供の頃はドラムを不良のやるものだと思っていました。マジです。中学で初めてバンドを組むときも「ステージにドラムセットがあるのが格好悪くて仕方ない。ピュアな僕らに、ドラムは必要ないんです」とのたまい全部打ち込みでやろうとしました(頑張って打ち込んだけどショボくて断念しました)。何がそんなにドラムに対して嫌悪感を抱かせていたんだろうと思い返すと、多分まず第一にその音量でした。あと周囲にうまいプレーヤーがほとんどいなくて、正しくチューニングされたドラムセットで良いプレイを聴く機会に恵まれなかったんだと思います。その後プロミュージシャンと接点が増えたり大学でフュージョンサークルに入ったりして、うまい人、良い音を聴くにつれてドラムという楽器の魅力がよくわかるようになってきました。
 コーライトしていても優秀なトラックメーカーはドラムに歌わせるのが上手いなーと思います。ドラムは打点を積み重ねてフレーズを作っていくので、実は結構メロディーセンスに近いものが試される楽器だったりします。サビ前で「デケデケドコドコ」と叩くのか「ッデケデドコッド」と叩くのかという判断ってメロディーをどうするかの判断ときわめて近いんですね。なのでメロディーをしっかりと理解してくれる人はメロディーの呼吸を引き継ぐようなドラムアレンジができますし、逆にドラムの緩急をちゃんとつけられる人はメロディーの緩急もつけられる印象です。
 最近ではDAWの発達でトラックメーカーもビートはほとんどサンプルを選ぶだけの世界で、だからこそサンプル選びのセンス、つまりどれだけ情報集約してそのあと取捨選択できるかが勝負をわけると思います。だからこそビート選びにしてもドラム打ち込みと同じようにメロディーセンスに近いものが試されると思います。どこも同じですね。

【次回予告】
次回は「ベースさえあれば他に何もいらない」です。

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