「年間100曲」ペンギンスのコーライトな日々

コーライティング(Co-Writing)で年間100曲を完成させ、職業作曲家としてメジャーアーティストに楽曲提供しているペンギンスが、毎日のコーライティングで想うことを書いてます。

「トラック先でしかも詞先なライティング」がアツい!

おはようございます、作曲家のペンギンスです。きょうめっちゃ天気いいすね!テンションあがりますわ!(最近天気の話ばっかしてる)

さて、最近ちょっとおすすめのコーライティングスタイルがありまして。

結論から言っちゃうと「トラック先でしかも詞先」なんですが。
これいいです。

前提を話すと、J-POPの、とくに歌謡曲寄りな案件では、まず最初にメロディーとコードをつくって、それをアレンジしながら、歌詞を書き、歌を歌う、という順番が多いわけです。(メロ→歌詞・アレンジ)【メロ先】

それに対して、グローバルPOPでは、なんといってもまずトラック(アレンジ)が先にあって、トラックに対して歌いながら歌詞とメロディーが同時に生まれていく(トップライン)ことが多いです。(アレンジ→メロ→歌詞)【トラック先】

いっぽう、昭和の歌謡曲やフォークの時代から脈々と息づいている邦楽らしい手法として「詞先」というのがあります。歌詞のメッセージが最重要だからまず歌詞を書く、それに合わせてメロディーなりアレンジなりを作っていく、というものですね。(歌詞→メロ→アレンジ)【詞先】

というわけで、メロ先・トラック先・詞先といろいろな順番があって、それぞれにメリットがあるわけですが。

最近トライしてすごくいいな、と思ったのが「トラック先で、しかも詞先でもある」というやりかたなんです。

まずトラックメーカーがかっこいいトラックを作る。そのトラックにインスパイアされた作詞家が歌詞を作る。その歌詞をトラックをいかすような良いメロを、最後に書く。(トラック→歌詞→メロ)【トラック詞先】

ってことですね!

やってみて思うんですけど、この方法はとにかく「自然な音楽」ができるんですよね。

トラックによってまずビートから始まることで、自然なリズム、体が動き出す音楽になる。次に歌詞によってコンセプトであったりメッセージが生まれることで、感情に寄り添う納得感も生まれる。

そういう説得力が既に存在してる状態で最後に書くメロは、もうトラックと歌詞に支えられて、自然と良いものになるなという感想です。少なくとも、何がしたいのかよくわからない、失敗メロ、ということにはなりにくい。

メロディーが一番大事だという気持ちは変わらないんですが、だからこそ具体的にどうやってメロを書くかという話になると、このように「他のコンディション(トラックや歌詞)を決めてしまってから最後に書く」ということにより、曲全体のすがたからみたときに一番自然なメロディーになるのは大きなメリットだなと思いました。

ねんのため補足をしておくと、メロディーを書くときにまったくトラックや歌詞を100%活かさなくてはいけないというわけではありません。特に歌詞については数回やってみましたが元のままということは考えづらく、文字数などは相当調整をしました。ですので無条件に先行する存在(トラック・歌詞)を受け入れるのではなく、あくまで良いメロディーになるためには前段階のアウトプットに対して手を入れることもいとわない姿勢が大事ですね。

これを読んでるみなさんも、トラック先でしかも詞先なライティング、ぜひおためしください。

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