「年間100曲」ペンギンスのコーライトな日々

コーライティング(Co-Writing)で年間100曲を完成させ、職業作曲家としてメジャーアーティストに楽曲提供しているペンギンスが、毎日のコーライティングで想うことを書いてます。

コーライトの人数は何人がいいの?

 こんばんは、作曲家のペンギンスです。
 コーライトの話をガッツリする回が最近なかったので久しぶりに。ちょっと人数の話をしてみたいと思います。コーライトということで、複数名が集まって曲を完成させるわけですが、何人くらいで集まるのが一番いいのか?というよくある話です。
 結論から言うと僕は3人がベストかなと思っています。三人寄れば文殊の知恵とか、三角形は一番力に強い図形だとか、色々昔からえらい人が言ってますがまさにその通りで、パワーバランスが一番取りやすくコミュニケーションも適度な風通しの良さが生まれるマジックナンバーが3人だなと思います。事実、昨年100曲以上作ったなかで統計を取ると、平均コーライトメンバー人数は3.1くらいでした。なので3人くらいがやりやすいと無意識に思っていたんでしょうね。
 ただ3人がベストとは思いますが、それ以外の人数にもそれぞれの良さがあります。ここで箇条書きにしてみてみたいと思います。

・2人コーライト
 日本だとこれけっこう良くあるスタイル、というか最近クレジットで一番見かけるのはこれかもしれません。わかりやすく「トップライナー+トラックメーカー」スタイルが多いです。トップライナーが作詞・作曲・ボーカル手配周り(時には自分で歌う)に責任を持ち、トラックメーカーはアレンジ・MIXに専念するスタイル。これはわりとバランス取れているし、変な話印税も半分は自分のものになるし、相性がよい二人がうまく組めば2人コーライトは鉄板のコンビになる可能性を秘めていると思います。

・3人コーライト
 出ました黄金バランスの3人組です。前述の「トップライナー+トラックメーカー」のスタイルを基本にしつつも、トップライナーが2人いて片方が作曲、もう片方が作詞(&シンガー)、というパターンが非常に多いですね。これも作詞・作曲・編曲をわかりやすく1人ずつが分担するので、バランスは取りやすいです。さらに2人組だとどうしてもコミュニケーションが煮詰まるリスクがあるんですが、3人組はそこに3人目が風を吹かせるのがいいですね(笑)。基本オススメしたい人数です。

・4人コーライト
 この辺からこう「多いな・・・」という感じがしてきます(笑)。ただ、やみくもに増やすのでなければ僕は実は決して嫌いではない人数です。多いのがトップライナー+トラックメーカーの2人組に、作詞やシンガーで1人加わり、さらにディレクションでもう1人加わる感じが一般的な4人コーライトですね。あるいは作詞・作曲・編曲・シンガーで1人ずつ担当、そして誰かがリーダーシップを取るという感じもアリです。この人数になると印税は4等分になりますので、なるべくなら夢はでっかく大型案件にトライしたいなという気持ちも出てきたりします(笑)。

・5人コーライト
 まぁあの・・・多いです(笑)。これは良くあるのはトップライナー、リリック、芯がー、ディレクション、トラックメーカーと専任で5人が組むパターン。これは正直最初からこの人数にしようと思ってなることはほぼなくて、何らかの理由で3人コーライトだったり4人コーライトだったりしたチームに1人コーライトインしたときに結果として5人コーライトが発生するという感じが多いです。この場合オススメは「すごくうまいシンガーを仮歌代払うのではなくてコーライトインさせちゃう」というのが結構いいなと思っています。やはり案件によっては「仮歌がうまくて、しっかりディレクションされていないと話にならない」という案件もあります。そういう時に仮歌代払って仮歌さんに頼んでも、こちらが全てを仕切って決めていかなければならないわけですね。それよりは自分を客観的に見れる作家肌のシンガーソングライターとかに、コーライトインで入ってもらって、歌っては歌詞を直し、ハモを入れてはアレンジを直し、みたいな形で柔軟に進めることができたら5人コーライトも結構魅力的だなと、最近思うようになってきました。

いかがでしたでしょうか。コーライトの人数に上限なんてないので、なんなら7人、8人と増えていってもかまいません(最近の洋楽だとマジで10人近いクレジットが並んでいたりします)。適切な人数、適切な役割分担で、気持ちよくコミュニケーションしながら曲を作っていきたいですね。

【次回予告】
次回は「」です。