「年間100曲」ペンギンスのコーライトな日々

コーライティング(Co-Writing)で年間100曲を完成させ、職業作曲家としてメジャーアーティストに楽曲提供しているペンギンスが、毎日のコーライティングで想うことを書いてます。

Session Day2 感想

おはようございます、作曲家のペンギンスです。
ストックホルムは朝の7時、昨日まではずっと雨でしたが今日は日差しが少しのぞいています!

さて昨日の感想を。
昨日は一昨日(初日)につづき、セントラルエリアにあるSnowflakeというPublisherが持っているBjork Studioというスタジオに行きました。
スタジオには、オーナーのJoakimの日米での活躍を示すものがズラリ。
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本日はシンガーのAdamとトラックメーカーのSebastianの2名のスウェーデン人、そしてコーディネートを務めていただいたシンガー・ソングライターのYoko Hiramatsuさん、そして僕の4名でコーライティングしました。
Adamに良い歌を歌ってもらおうということで、某日本の大手ダンスミュージックグループの男性アーティスト向けに曲を書こうという話になりました。
Sebastianが簡単なビートを作り、それを元にVERSE(日本でいうAメロ)があっという間に作られて行きます。
スウェーデンのクリエイターはほとんどがApple Logic Proユーザで僕と同じDAWなので作業を見ているととてもよくわかります。
だいたいSpliceでサンプルネタを落としてきてkickやclapなどを組み始め、そこにさまざまなソフトシンセでSub Bassが乗っかって、ちょっとミックスしたらあっという間にトラックは出来上がり。
「海外の人は作業が速い」という噂だけは国内でもよく耳にしますが、実際に見て、なぜ速いのかを観察してみました。

1.日頃から速くつくるつもりで準備している

Spliceでのネタ選びもLogicでのミックスも、多分やり方を事前に決めて日頃から慣れているので速いんだなという感じ。何も迷っていないです。どんどんやっちゃいます。準備しているから速い。仕事の基本ですね。

2.既存品(サンプルネタ、プリセット)を使うのがすごく上手い

日本ではどうしても「イチから自分で作るのが良い」という発想が先に立つことが多いように思いますが、そういう物の考え方をしていないです。Spliceからどんどんビートも、フレーズも落としてきて、Logicの上にとにかく「既存品を貼る」。そしてフレーズもバラバラにチョップして、エディットして音程を変えてあっという間にオリジナルなフレーズにする。「使えるものは全部使って、それを編集してオリジナリティーを出す」という考え方なんだなと思いました。既にあるものを再生産するコストは無駄。仕事の基本ですね。

3.判断が速い

もうとにかくなんでもかんでも判断が速いです。「やってみる?」じゃなくて「やってみたんだけどどう?」という会話が基本です。見ているとあまり1曲にこだわるとか、ここでベストを出そうという気持ちではなくて、「やってみて、聴かせてみて、リアクションをみて、ダメなら違うことをやってみよう」というマインドなのかなと思いました。常に手を動かしているから速い。仕事の基本ですね。

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今日とっても嬉しかったのは、AdamもAndreもYokoも僕のピアノのボイシング(和声)のセンスをとっても褒めてくれたこと。ピアノはヨーロッパの楽器だから、ヨーロッパの人に褒められると、とってもうれしいですね。
結局そのままそれを使ってトラックメイキングしたのですが(これもうれしい)、やはり上記「速さ」の話になるんですが、楽器が弾けると作業が速い!これは歌が上手いと一発でサマになるから作業が速いのと全く同じ理由ですね。デジタル時代だからこそ演奏や歌といったフィジカルな能力を持っていると大きなアドバンテージになるんだなと再確認させられました。
これからもがんがん弾いていく所存です。

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近所のスーパーでお買い物して帰りました。
アルコールの販売が厳しい・・・政府が定めた販売店以外には、ノンアルや低アルコールしかないです。

ではまた!

 

Session Day1 感想

おはようございます、作曲家のペンギンスです。
2日目の朝は早く目が覚めてしまいました。
時間があるのでスウェーデンコーライト初日の感想でも。

1.雑談大事
僕のコーライトメンバーは歌えて歌詞が書けるプロデューサーと、歌えてトラックが作れるシンガーの2人。合計3名。
10:30にスタジオ入りして、まずは雑談したのですが、これはやはり事前に聞いていた通り雑談はとても大事だなと・・・
やはり初対面だと相手がどんな風な感じ(曖昧ですが笑)の人なのか、とかどんなキャリア、どんな音楽の好みなのか、とかすぐにはわからないので、会話を通じてなんとなく把握していくのが非常に大事だなと思いました。そこで作戦を簡単に練りつつ、12時くらいから曲作りを始めたので、うまくいったなと思いました。

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2.リファよりも瞬発力
日本のコーライトだと定番のリファレンス楽曲決めですが、少なくとも昨日はあんまりしませんでした。J-POPや洋楽の結構有名なヒット曲から2,3曲だけ一緒に聴いて、その場でトラックメーカーがビートを簡単に作り(Spliceを多用してました)、僕がキーボードを弾き始めてちゃっちゃとコード進行を作り始めた感じ。それに合わせて僕が歌ってトップラインを作っていきました。そこで止まらないこと、思いついたアイデアを即行動に移していくことがとってもとっても大事だなと思いました。スタミナ大事!

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3.楽器ができることの大切さ
セッションをハイ・スピードで進めて行くのは有名な話ですが、どこが速いんだろうな?と思って観察してると、話はシンプルで「判断が早い&歌と楽器が上手い」というところに尽きるなと思いました。その中で歌は正直、なかなか日本人から見てると「これは何か越えられない壁でもあるのか」と思うくらい歌がうまいので、日本人的には判断が早い(前述の「瞬発力」とほぼ同じ意味)と、楽器が何かパッと弾けると良いんじゃないかなと思いました。英語も大事ですが、鍵盤、ちゃんと弾けてよかったです。

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4.段取りよりも察する力
今回迷っていたことのひとつに「最初からプランニングして、効率よく進めていくか、それともその場でのフィーリングや相手の気分を優先してエモーショナルにやっていくか」というのがあるのですが後者を選んでみました。その結果16時に飯を食いにいくまで根を詰めて一気にやって、それから19:30くらいまで歌詞を一緒に考えるという感じになったのですが、それでよかったのだろうな、という気がします。何か段取りとか、一歩引いた目線で何かを言うことって、夢から覚ましてしまうような側面もあるので、没頭する感覚は大事なのかなと思いました。
同時に、段取りよりも大事なこととして、察する力というのがあるなと思いました。16時から17時くらいまでずっと歌詞をみんなで作っていたんですが、なんかこう、出来上がっている箇所を何度も歌い直していて・・・僕は「これなんだ?」とちょっと正直不審に思っていたのですが。なんとなく空気を察すると「お前だって英語しゃべれるんだし歌詞のアイデアをくれよ」という風に言われてる感じだったんですね。どこかで「英語の歌詞は任せちゃおう」と勝手に思っていた自分を反省して、一緒に英語の歌詞を考えました。察する力というのは日本的なものだとよく言われますが、普通に、相手の気持ち、現在のチームの状況を察する力というのはどこでだって大切だなと思いました。

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19:30ごろセッション終了。クタクタに疲れ果ててストックホルムシティーをあとにした僕がAirBnBを借りた地元の駅に降り立つと、今朝降った初雪が真っ白に残っていましたとさ。
おつかれさまでした。

ストックホルム到着!

こんばんは、作曲家のペンギンスです。

ワルシャワから小さなジェット機で1時間45分。

氷点下のストックホルムに到着しました。

寒い・・・

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がんばってスーツケース押しながら、これからお世話になるAirbnbへ。

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さすが北欧、全部絵になります。

少し休憩して、今回同居する日本からの男性作家6名で部屋割りしたら、シャワーと暖房の確保。

荷ほどきまでして寝れたらいいな。

がんばります。

 

明日からセッションだぞー!

 

ワルシャワでトランジット中

こんにちは、作曲家のペンギンスです。

ワルシャワです。

トランジットです。

 

ショパン国際空港と名乗るだけあって

トランジットフロアに、

スタインウェイのグランドピアノが。

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これからいよいよスウェーデン!

いってきます!

おはようございます、作曲家のペンギンスです。

成田空港にいます。

いよいよスウェーデンに出発です。

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コーライティングの本場で、どこまでやれるか?何が起きるか?結果を出して帰れるか?

随時レポートしていきたいと思いますので、お楽しみに。

 

いってきます!

機材の準備

こんばんは、作曲家のペンギンスです。

いよいよ明日に迫ったスウェーデン渡航の日。

機材の準備を始めました。

今回は持ってく機材を全部並べてみようと思います!

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MacBook Airとその電源ケーブル

iPhone電源ケーブル

外付HDD(iTunes全曲と古いDAWデータ)

ミニキーボード KORG micro Key

マイク SHURE SM57Beta

マイクシールドとポップガード

オーディオインターフェース TAC-2とThunderboltケーブル

ヘッドフォン SONY CDR-900ST

五線紙

筆記用具、USBメモリなど

 

あれ?大型キーボードは?あのヘッドフォンミキサーは?インシュレーターは?とお気付きの方もいるかと思います。

そう、色々と情報を入手して熟慮の末、今回は全てをスウェーデン側のスタジオで現地調達する事にしました。

ぶっちゃけこれらのは日本の仕事で急用が出来た時に必要な作業ができるための最低限の機材セットです。

スウェーデン側の「どこで誰とセッションする」というプランが見えてきたのですが、調べてみるとかなり設備の整った、コーライティングに最適化された過不足ない環境があるようなんですね。

トラックメーカーならまだしも、トップライナー&ディレクターとして渡航する僕が自前の機材を持ち込んでもあまり意味がないと思い、MacBook Air中心に最低限のものだけを持ち込む事にしました。

なんか、電子楽器は税関で止められたりもあると聞いたので、そこの対策というのもあります。

 

ともかくこんな感じで準備万端です!