「年間100曲」ペンギンスのコーライトな日々

コーライティング(Co-Writing)で年間100曲を完成させ、職業作曲家としてメジャーアーティストに楽曲提供しているペンギンスが、毎日のコーライティングで想うことを書いてます。

作家対談企画・with長沢知亜紀「もうね、みんなコーライトしたらいいと思いますよ」第2回「アーティスト?メンバー?当事者?女子?」

「アーティストとのコーライトがキーになるかもしれない(ペンギンス)

 

ぺ:なるほどね。思ったんだけどさ、寄せるっていうことと、自分の強みっていうこととの両立を考えるうえで、アーティストとのコーライトがキーになるかもしれないよね。

 

長:アーティストとのコライト!

 

ぺ:いまぼくら、某事務所に所属してるアーティストの卵的な子たちと、コーライトでレパートリーを増やすということをやっているじゃない。

 

長:むずいよねー(正直w

 

ぺ:あそこでアーティストに寄せるっていうことと、作家がいる意味っていうことの2つがまさに問われてると思うんだよね。

 

長:作家超えて少しプロデュース的なところもありますよね。

 

ぺ:そう。だからいつもプロデュースの視点もてるかどうかなんだろうね。アーティストコーライトってなると、曲づくりは自分のほうが正直本業だから、勝負は歌詞になってこない?アーティストもといシンガーが「これは私だ」と思って歌える歌詞。

 

長:そう、とゆうかアーティストって言いたいことあると思うんですよね。だから歌詞にしたいひとは多いと思う。なので、歌詞を話すことは多いですね。

 

「メンバーの力をうまく引き出すって難しい(ペンギンス)

 

ぺ:歌詞のコーライトって難しくないですか?歌詞って、一番パーソナルなものだなと思っていて。パーソナルなものを、Co-で作業するっていう。

 

長:おっしゃるとおり。作家同士は割とできるかな。でもやったことあるのは永野さんだけですね。アーティストとやるときは、どっちかのパーソナルに寄せた方がいいと私は思ってます。じゃないと尖ってこない。

 

ぺ:うんうん。そしてまぁ、だとするとアーティストに寄せるよね。

 

長:うーん、どうだろう?私は自分に寄せるときもありますね

 

ぺ:おお。

 

長:歌詞コライトするときはとにかくその方の本質的な嬉しいことと嫌なことを聞きまくるので、その共通点があれば自分にすることもあります。もちろんアーティストがいいね!ってなったときだけですが。そしたらワードは強い方にしてくので、おのずと自分が出すワードが強くて本人もあ、そのほうが!となれば迷いなく採用します。

 

ぺ:ヒアリング、上手だよね。みていておもったのだけど。

 

長:ヒアリングすごい好きなんですよ。生まれたときから今まで聞きますざっと

 

ぺ:いいなぁ。や、それもね!今日ぜひ聞きたかったことのひとつで。コーライトって、メンバーの力をうまく引き出すことが大事です、なんて、よく言われるじゃないですか。・・・難しいなーって・・・w

 

長:確かに笑。でもそれは私もまだわからない笑。

 

ぺ:「出てきてください個性様」っていっても、出てこないじゃないですか、あいつw

 

長:自己開示してくださいってゆってできない方もいるので...まぁでもそしたら地道なのかな。とりあえず自分が自己開示しますね。

 

ぺ:ああまずね、自分から名乗るっていうね。私が見せたんだからあなたも見せてよっていうね。

 

「もうこれはですね。リクルートの癖です(長沢)」

 

長:そうそう。もうこれはですね。リクルートの癖です。

 

ぺ:そこ?笑

 

長:いやまじそこ!ヒアリングとか本質とか課題とかありたい姿とか目的とかタスクとか全部リクルートですよ。w

まぁもともと好きです。違う個性の人のこともまずは聞いてみよう、イラっとしてもなにがちがうのかを確認する会と思ってます。アーティストのね、兄弟構成は必ず聞きますよ(何)w

 

ぺ:兄弟構成。それすごいな(笑)。リクルートは人を育て人を変える会社ですからね。

 

長:メンバーの力って、「何ができる=技術」も大事だけど「何やるときが嬉しい=意思」みたいなの大事だよね。

 

ぺ:大事だねえ。

 

長:技術にいきがちかなとは思う

 

ぺ:思う。

 

長:でもそれは意思を発信してる人が少ないからとも言える。

 

ぺ:でも意思のサイドでケミストリーが起こると決まりやすいかも

 

長:そうなのよ、意思のが大事なんじゃないですかね。これをやりたい、これが嬉しい、やりきりたい、みたいな気持ち。技術と意思が結びつくと最高ですよね。・・・やっぱ仕事の思想になるw

 

ぺ:仕事の思想ってでも、ものすごくコーライトで役立ちません?そういう会社だという恵まれたとこもありますけれども。僕の場合も。

 

長:役立ちます。あと、ペンギンスさんと私は思想強めな会社ってこともありますよね。まずそもそも私は会社に兼業申請してますから。笑。

 

ぺ:思想強めな会社って表現やばいw そうだけど!w リクルート用語の「圧倒的当事者意識」っていう言葉聞いて、すごい会社だなと(笑)でも、コーライトもまさにそこじゃないですか?「圧倒的ディレクター意識」(笑)

 

長:圧倒的当事者意識すごいよね。笑。私もすっかりその人間になりました。笑。

でも一流の人って言われなくても圧倒的当事者意識だよね。

 

ぺ:そうなんだよ。

 

長:コライトももちろんそう

 

ぺ:そのほうが面白いんだよ。体にいいし。精神衛生上。

 

長:そうなの。やっぱ自責だよね。そのほうが楽なのさ!

やばい、精神論になってきたねw

 

「女子のトラックメーカーが期待されてないことが悔しかった(長沢)」

 

ぺ:でもそこ大事なんですよ。コーライトの場合さ、変な話技術ってアウトソースできるじゃない。

 

長:できますね。

 

ぺ:そうするとけっこう、自分自身としては精神論もなかなかに大事だったりして。精神論っていう言葉が良くないとしたら、マインド。大切な何かを守るマインドがあって、そのためにアウトソース必要ならするし、リテイク必要なら出すし。

 

長:あと、コーライトでも、圧倒的当事者意識があれば、ディレクションもアレンジも作詞もメロも妥協しないよねって話だし、まず「努力しようよ」と思う。

 

ぺ:そういう意味でいうと長沢さんって、トラックメーカー的なポジションと、トップライナーのポジションと、両方とりますよね。そこは圧倒的当事者意識をさらに育てるのでは?人になにかアウトソースするとき、説得力、増してると思う。

 

長:そうですね。当事者意識を超えて、ただ悔しかった。女子のトラックメイカーがいないし、あまり期待されてないことに。だから女子でトラックあんまりやったことない人が採用されたら、ざわつくだろうなって思いました。

 

ぺ:いいね。

 

長:それも当事者意識ですねきっと。ほんとにそこから始めましたよw

 

ぺ:実際の結果で見せるしかないものね。

 

長:まぁ最初は実はトラックで採用されるまで大きな夢は描いてなかったのですが、女子コライトが認められたらいいなとは思ってました。

 

ぺ:コーライトは今はね、いろいろな「初」が起きてるからね。

 

長:そゆの大事ですよね。

(第3回へつづく)

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