こんにちは、作曲家のペンギンスです。
ありがたいことに、ちょくちょく質問をいただくようになりました。
こたえていきたいとおもいます。
あ、質問シリーズとか適当なこと書いてますけど次は未定です。
質問
「ペンギンスさんって何曲も並行して曲作ってますよね?わけわかめになりませんか?どうやってスケジュールとかタスク管理してるんですか?」
いい質問ですねぇ(池上彰風に
こたえます!
回答
「わけわかめにならないように、EvernoteとGoogle Spreadsheetで管理しています。今回はその画面をお見せしながら説明していきたいと思います。」
僕が曲作りをするときに、主に使っているスケジュール・タスク管理のアプリは2つ。Evernoteと、GoogleSpreadheetです。どちらもMac、iPhoneの双方からアクセスできるクラウド型サービスなのが大事です。どこからでも使いたいのです。
Evernoteには「リマインダー」という機能があり、日時順でやるべきことを並べることができます。これを使って管理しています。
ここでポイントは以下のとおりです。
「1曲=1リマインダーとする。1曲のなかの作詞・作曲などをいちいちリマインダーをわけない。」
ややこしいのが苦手なので、1曲=1リマインダーで管理します。タイトルのところにちらっと見えますが「仮・仮歌→ハモアレンジ→発注」とかって長々と書いてますよね。これがこの曲に関して目下控えてるやらなきゃいけないことの一覧です。まずは仮・仮歌を入れる、それができたら「仮・仮歌」という文字を消す。すると「ハモアレンジ→発注」というタイトルになるので、次はハモアレンジだとわかりますよね。
たとえば、Evernoteにこういうリマインダーを設定するわけです。
-5/20 8:00 (待)★Evernoted Love Inst.wav待ち(5/12PM)→ハモアレンジ(5/13)→仮歌発注(5/15)→Vo到着(5/18)→VoEDIT(5/19) 《5/12》
これが、リマインダーのタイトルです。長い!でも、タイトルだけで仕事の順番がわかりますよね。
このリマインダーの意味を左から順番に解説すると
-5/20 8:00 コンペ自体の締め切り
(待) 一番最初のタスクが、コーライトメンバーの担当で、自分はいま「待ち」であること
★ 曲作りの仕事であること。契約関連とか、曲を作る以外の仕事は★をつけないので「星の数だけ曲をいま作ってる最中」ということになります。
Evernoted Love 曲のタイトル
Inst.wav待ち(5/12PM) 一番最初のタスク。(待)と先ほど書いてあったとおり、これはトラックメーカーのタスクなので、改めて「待ち」と書いてあります。そしてその次にある(5/12PM)というのがその時刻にデータをもらえる予定ということ。ここがとってもポイントで、「コンペの締め切り」と「目の前のタスクの締め切り」は違うじゃないですか?それをどうやって管理するかが一番の悩みだったんですが、僕はいまのところEvernoteでこのように「一番目立つところにコンペの最終締め切りを記載し、Evernoteの締め切り自体は「目の前のタスクの締め切り」にあわせて設定しています。
《5/12》これは実際のEvernoteのリマインダー設定日時です。いま申し上げたように、「目の前のタスクの締め切り」にしています。どんなに曲の締め切りが先でも、逆算して今日やらないとまずいことって、ありますからね。
ちなみに、リマインダーの本文には基本、コンペシートの文章をまるごと貼ります。(なのでお見せできません・・・)これならコンペシートを参照しやすいです。ついでに隣に歌詞を書き始めたりすることもよくあります笑。Evernoteはスマホから操作できるので、外出先や、今のご時世なんかだと例えばソファでごろごろしながらも歌詞を考えてたりします・・・。
というわけで、このようにしてEvernoteでタスクを管理しています。
では、Google Spreadsheetでは何をしているのでしょうか?
このように、Google SpreadsheetでいわゆるExcel的な表による管理をしています。
左上にシート名があるようにこのシートは「楽曲管理」というシートの中のタブです。
これがどういうシートなのかというと、次の3つのタブで構成されています。
・「楽曲管理」タブ
メインのデータベース。これまでに私が作家として作った全ての楽曲の提出履歴やステータス、曲調、コーライトメンバーなどが記載されている。画像をぜひ載せたいのですがほぼ全部モザイクになるので諦めました。
・「進捗管理」タブ
上記写真のような、ステータスが「未提出・制作中」の曲だけを(手動でw)、セレクトしたもの。左から右へと、コーライトの進捗にあわせて「FD作成」とか「作詞」とか「仮歌資料送付」なんて項目が並んでいますね。「なう」と書かれている赤塗りの箇所が、その曲のいまの進捗です。当然、左の項目より先に右が完了する(○がつく)ことだってあります。なお、このシートの写真に写っていない左側に曲名がありますが、ここは全部モザイクになっちゃうので、省略しています。
・「2020楽曲一覧」タブ
これはまあおまけというか、完成した曲を月ごとに並べて、「今月も頑張ったな、ムフフ」といっておいしくお酒を飲むためのタブです笑。でも一応「何曲できたか、そのうち、力を入れたい案件は何割か」といったことを管理するために、欠かせないものではあります。このタブがあるおかげで、年間100曲作るやる気が出ているといっても、けっして大げさではないです。自分がやる気になる仕組みをつくるって、思ってる以上に、とっても大切なくふうです。
さて、というわけで長くなってしまいましたが、私のコーライト楽曲制作のスケジュール・タスク管理の方法を具体的に見てきていただきました。いかがだったでしょうか?
私がこういった管理系のしごとで、大切にしていることは・・・
1.完璧に管理しよう、という幻想をもたない。完璧など言い出したらキリがないし、完璧な管理ということは手間と無縁ではいられない。管理することが目的ではなく、管理することで生み出した音楽が世に出やすくなったり、よりたくさんの素敵な曲を安定して作れるようになることがゴール。
2.1と同じことだが、完璧と「楽に続けられる」ならまちがいなく後者をえらぶ。完璧な仕組みが仮にできたとして、それを続けられずに三日坊主になってしまったら、まったく完璧ではありません。自分に無理のない範囲で、何年も延々と続けられるやりかたを考える(えらぶ)ということがたいせつ。逆にいえば「続けられる、無理のないやりかたと決めたからには、絶対に続ける」。だからある意味「自分なりの完璧をめざす」「自己ベストを尽くす」ということかもしれませんね。
というわけで、みなさんひとりひとりの「自己ベストのスケジュール・タスク管理」方法のヒントになれば幸いです!