こんにちは、作曲家のペンギンスです。
数えてみたら300曲近くコーライトをしてきたのですが、そのほとんど全てがトップライナー(メロディー、時には歌詞も)での参加でした。トラックメーカー担当をわざわざやることはほとんどゼロでした。自分ひとりで作ることのほうがまだ多かったくらいです。
そんな僕ですが、ちょっと思うところがありあえてのトラックメーカーでコーライトに参加してみました。といってもバンドサウンドなので、クラブミュージック的なノウハウがあまりいらないストレートな音楽でしたが。
そこで色々と感じたことがあったので、自分のためにも他のトップライナーのためにもメモしておきたいなと思います。
1.メロディーが良ければトラックメイクは楽だ
今回もメロディー先行で、ファーストデモ(メロディーとコードだけのデモ)をもらってそこからトラックを作っていったのですが、メロディーが良いとトラックを作るのは随分楽だなと思いました。このメロディーが良いというのには2つあって、1つは普通に良いメロディーだからモチベーションがあがるという意味。もう1つは良いメロディーは「こういう曲に仕上がる」というゴールがはっきりしているので、何をすればいいか明確にわかるという意味です。例えばバンドサウンドだとここでキメる、ここは食って入るといったポイントがあるわけですが、そこがしっかり考慮されているメロディーとそうでないものではトラックメイクに雲泥の差が出るなと思いました。
2.トラックには遠慮なく注文をしてもらったほうがむしろやりやすい
普段トップライナーだと、どうしてもトラックメーカーに遠慮してしまう自分がいました。だって・・・どう考えたってトラックメーカー、大変そうじゃないですか(笑)。労働時間という意味でいえば日本海外問わず絶対トラックメーカーのほうが長いと思います(海外でもセッション終わったあとトラックメーカーはMIXしてるらしいですし)。だから「こんなこと頼んだら大変かな」「こんなこと言ったら面倒かな」とつい遠慮してしまうときもあったんですね。
でも実際に自分がトラックメーカーになってみると、「これはこのあとどう仕上げようかな?」と迷っている時間のほうがよっぽど勿体ないんですね。それよりはトップライナーから「ここがおかしい」とか「ここがなんかぶつかってる」とか言ってもらえるだけでも、それをヒントにしてその問題を解決する方向に動けるのでむしろやりやすいと気づきました。これからはトップライナーとして遠慮なく色々言っていこうと思います。
3.トップライナーだからこそ、メロディーを大切にアレンジ・MIXできる
これは充実感ありました。メロディーってそこにどういうリズムアレンジが組まれて、ベースラインがどう支えて、上物がMIXでどれくらいのバランスで鳴るかといったトラック側の要素で全然違って聴こえるので、人のメロディーの良いところを把握して、それを活かすためにどうすればよいかと考えてMIXするのは結構楽しかったです。普段「もっとトラック、こう来てくれたらなぁ」と思うことを自分でやる(そして意外と難しかったりするw)というのは新鮮な経験でした。
まだこの曲完成してないんですが、期待できそうです。
これからもたまにはトラックメーカーやってみたいなと思いました。今度はダンスミュージックかな・・・
現場からは以上です。