「年間100曲」ペンギンスのコーライトな日々

コーライティング(Co-Writing)で年間100曲を完成させ、職業作曲家としてメジャーアーティストに楽曲提供しているペンギンスが、毎日のコーライティングで想うことを書いてます。

Eテレ「Eダンスアカデミー」で目撃したコーライトと同じモメ方

 こんにちは、作曲家のペンギンスです。
 突然ですが、僕は子持ちです。2歳9ヶ月になる男の子がいます。保育園にお迎えに行くのが僕の担当です。お迎えに行って帰って、ご飯を食べさせると19時くらいになっているのですが、その時間にEテレを付けると金曜日にやっている番組が「Eダンスアカデミー」です。

www.nhk.or.jp
 この番組はEXILEのTETSUYAさんとUSAさんがインストラクターとなり、ダンスキッズたちがダンスを練習していくダンスレッスン的な番組です。なんとなく付けっ放しにしていることが多いのですが、そこでこの前「コーライトでもよく見かけるモメ方」そして「どうやってそこを乗り越えるか」というまさに俺得な瞬間を目撃してしまったので共有したいと思います。
 まずその日は「ダンスキッズたちがチームのみんなで自ら振り付けを考え、大会を目指す」という場面が放送されていました。すると・・・

キッズが話し合っているが、ある特定メンバー(コミュニケーション力が高く、ダンススキルも高い)が積極的に発言し議論をリードするため、そのメンバーの意見がどんどん振り付けに反映されていく状態。それに対する他のメンバーの不満が次第に高まり、「こういう体験はあまりないのだから、xxの意見だけではなく、みんなの意見を入れたい」という声が出てくる。

それに対してダンスのコーチ役であるダンサーが「何が目的なのか。勝つことが目的なので、思い出づくりなわけではない」と、和を重視するあまり意見を入れることが目的化してしまうことを諌める。

険悪な空気に包まれるダンスチーム。「仲良しクラブじゃない」とさらに言われてしまう。しかし・・・

その場の空気を変えたのが「1人ずつ自分で考えたフル尺の振り付けを発表する」というやり方。これにより「一人一人が努力するチャンス」が与えられた。

努力が自信を生み、自信が発言につながり、発言がたのしさにつながる。

チームの空気は好循環に入り、みんなが積極的に意見を出しつつ、勝つための振り付け作りができるようになった。

という場面がありました。
 いかがでしょうか。コーライトを経験された方であれば、(特に初期ほど)似たような場面を思い出す方がいるのではないでしょうか。「ひとり主導的なメンバーがいて他のメンバーがなかなか意見を言えない」あるいは逆に「合議制を重視するあまりクオリティや目的意識がどこかへ行ってしまう」というのはよくある失敗ですね。僕もこれに対してはどういう進め方が有効なんだろう、とファシリテーションについて悩むことも多かったのですが、ここえは「1人1人が自分でフル尺の振り付けを発表する」というやり方が流れを変えたようです。「個人の努力→自信→発言→たのしさ」という好循環。ビジネスの場であればこの「たのしさ」のあとに「成果→売り上げ」と続いて行くイメージですね。
 音楽のコーライトに置き換えると「1人1人がファーストデモ、トラック、リファレンスなど何かしらを通して、全体のビジョンを自ら描く」といったところでしょうか。それがチームで検討した結果アリ・ナシどちらの判断になるとしても、一度ひとりで全体のビジョンを描こうとする、というプロセスが全員の力を発揮するよいチャンスを作るということだと思います。これが毎回のコーライトで出来ているかと言われると甚だ心もとないので、僕も自戒をこめつつ今日は上記のエピソードを紹介しました。「全員の力がフルに発揮されて、ヒット曲が生まれる」という状況を作り出せるといいですね。