「年間100曲」ペンギンスのコーライトな日々

コーライティング(Co-Writing)で年間100曲を完成させ、職業作曲家としてメジャーアーティストに楽曲提供しているペンギンスが、毎日のコーライティングで想うことを書いてます。

事前に全部公開します!10/29開催「作曲家の知らないベースの世界〜弾けなくてもベースを活用できる12のTIPS」教材ページ【前半】

こんにちは、作曲家のペンギンスです。

-はじめに-

本日のブログ記事は、10月29日に開催するオンラインセミナー「作曲家の知らないベースの世界〜弾けなくてもベースを活用できる12のTIPS-CWF presents ペンギンスTIPSシリーズ Vol.10-」の事前公開教材です。

既にお申し込み頂いた方は当日の受講までにこのページをご一読頂いてから参加してください。スムーズに内容が理解でき、また事前に質問をまとめるなどセミナーを有効活用できると思います。

またこのブログ記事を読んでためになった!こう言う記事を待っていた!という方はおそらく10/29の当セミナーを受講いただきますと非常に有意義と思いますので、以下のPeatixサイトから是非お申し込みをご検討いただければと思います。

↓↓↓当ブログ記事が事前公開教材となっているセミナーはこちら!↓↓↓
 「作曲家の知らないベースの世界〜弾けなくてもベースを活用できる12のTIPS」
-CWF presents ペンギンスTIPSシリーズVol.10-

-本文-

「縁の下の力持ち」という古いことわざがあるように、目立たないところにめちゃめちゃ重要な役割がある、というのはよくありますよね。音楽の場合、低音がそれにあたります。クラシック音楽でいえばチェロやコントラバス。ジャズでいえばウッドベース。そしてポップスではエレキベースやシンセベース。低音を支えて、曲全体のリズムと音程を整えているのが「ベースライン」の役割です。この講座では楽器としてのベースというよりは編曲としての「ベースライン」に着目し、それがアレンジの骨格になっていること、どのようなベースラインがどのような楽曲とむすびついているのかということ、具体的に良いベースラインを実現する方法について理解することをねらいとしています。

ですのでこれから説明する12のTIPSは、もちろんベースが弾けるとか、ベースを持っているということを必要とせずとも理解できます。音楽の基礎をささえるベースラインを確実に理解することが大切です。「あなたの作曲にあったベースラインを考えられる」ためのものです。ベースラインがしっかりアレンジできることで、ジャンル感を明確にして、違和感のないアレンジを、シンプルに短時間で仕上げることができるようになれば、この講座は成功です!

では、さっそく「(鍵盤系)作曲家の知らないベースの世界」に・・・出発!

TIPS1「ベースラインは、『リズムでもありコードでもありメロディでもある』と理解しよう」

ベースは大事、と一言でいいますが、なぜ大事なのでしょうか?それは音楽の三大要素「リズム、コード、そしてメロディ」を全て兼ね備えた存在だからです。良いベースラインは音楽のリズム感をはっきりさせ、一定のグルーヴを維持します。そして同時にコードのルート(基音)を支えることでコード感もはっきりさせ、さらにフレーズ的に動くことでメロディーさえも表現できます。音楽の三大要素すべてを司っているのがベースだ、と理解することで、きょうのテーマ「ベースライン」の重要性が理解できるのでは、と思います。

 

TIPS2「ベースとリズムの関係は、ベースとkickの関係に注目しよう」

ベースはリズム楽器なので、ドラムとの相性が大事です。よくバンドでドラムとベースをまとめて「リズム隊」と呼ぶように、ドラムとベースのコンビネーションでアレンジは成り立っています。これを具体的に理解するためには、ドラムの中でもkick(バスドラム)の打点(鳴る瞬間)とベースのフレーズ(弾く瞬間)の関係性に注目するとよいです。

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こちらThe Beatles「Love Me Do」は、kickとbassを同時に鳴らすことで音量、音圧が増して迫力のあるロック・ポップが可能になったということを示す記念碑的な曲といえると思います。

 

TIPS3「ダンスミュージックの進化の中で、ベースとkickを一緒に鳴らさないことが始まった」

kickとbassを同時に鳴らせば迫力が出る、という大発明から数十年がたち、シンセサイザーやサンプリング全盛の現代を迎えます。コンプレッションされた音は単体でも十分な迫力があり、kickとbassを一緒に鳴らすことが必ずしも必要なくなりました。というか、逆にkickが強力すぎてbassと一緒に鳴らせない時代が来たのです。そこで生み出されたのが「kickとbassは一緒に鳴らさず、むしろkickが鳴っている瞬間だけbassが鳴らなくなればいい」という逆転の発想です。

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こちらLady Gaga「Born This Way」ではkickのサンプルもbassのシンセ音色も超強力で、共存不可能です。そこでシンセベースはkickが鳴る瞬間だけ聴こえなくなる「サイドチェインコンプレッション」と呼ばれる手法を使っています。これはメインストリームのグローバルポップスでは20-15年くらい前から始まり、すぐさま日本でもPerfume等のポップアイコンを通じて普及した手法です。いずれにせよ「ベースについて考えるときは、kickとの関係で考えるとわかりやすい」ということですね。

 

TIPS4「ベースとコードの関係性を理解する」

ベースラインの作り方がわからない、という方は多くいます。もちろん既存曲のベースラインを耳コピするのが一番なのですが、考え方のアプローチも大切です。ベースのリズム感についてはkickとの関係性が大事と書きましたが、ベースとコードの関係性については、コード楽器(ピアノやギター)との関係性という観点で聴いてみると面白いです。ベースラインは基本的にコードのルート音(基音)を支えつつ、コードとマッチしたスケール(音階)の中で動いているのがおわかりでしょうか?(事前課題にした緑黄色社会「Mela!」などがそう)

ベースとkick、ベースとコード楽器、という2つの方法で両側から攻略していきましょう。

 

TIPS5「ベースの耳コピはコスパ最高。細かい耳コピで疲弊するくらいなら、ベースラインだけでもコピーしてみよう」

既存曲を正確に聴き取って自分で作ってみる「耳コピ」は音楽、とくに作曲やアレンジの学習手法としてとても有効ですが、やるのに一定の技量は必要で、なおかつ手間もかかるのでやる気がないと無理、というか続きませんよね。そんな耳コピですが、「時間もないし、負担もかかるけど、ベースラインだけ耳コピをするよう努力してみる」というのはどうでしょうか? 前述の通りベースラインにはリズムの基礎、コードの基礎、メロのセンスが全て詰まっています。よいベースラインをコピーすることで、その曲のエッセンスを効率よく学ぶことができるのではないでしょうか。(今回の講座では実際に事前課題として緑黄色社会「Mela!」のベースラインだけを1コーラスコピーしなさいという課題を出しています。)

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TIPS6「ベースは音価(音の長さ)、特に『切り方」が全て。」

自分の曲でベースを打ち込んでも、今いちそれっぽくならない。という方は、ぜひチェックしてみてほしい項目です。高い音源を使っても、良い機材でミックスしても、ベースは「音の長さ」がおかしいと全てが無意味になってしまう楽器です。特に長さを決める「切り方」がものすごーーーーく大事です。既存曲の耳コピでも、「どれだけ伸ばしているか」に注目してみましょう。とくに切るタイミングが、次のkickが鳴るタイミングと重なるか、少し前で切れるかといったことがきわめて重要です。

bassはいつだって鳴らし方もkickとの関係性、切る時もkickとの関係性なんですね!!

 

いかがだったでしょうか。ここで軽く前半での学びをまとめておきますね。

・ベースを学べばリズムも、コードも、メロも鍛えられる。

・耳コピもベースを重点的におこなうことで効率よく成長できる。

・ベースは鳴り始めも、切り方も、常にkickとの関係性でみることが大切。

という感じですね。

後半も、これらのことを頭におきながら読み進めてみてください!

それでは後半でまた、お会いしましょう。