「年間100曲」ペンギンスのコーライトな日々

コーライティング(Co-Writing)で年間100曲を完成させ、職業作曲家としてメジャーアーティストに楽曲提供しているペンギンスが、毎日のコーライティングで想うことを書いてます。

トラック先行、たのしい!

 こんばんは、作曲家のペンギンスです。
 最近はトラック先行のコーライトが楽しいです。
 多分海外はほぼ全部そうだろうし、日本でも主流はそっちみたいですが、僕はなかなかトラック先行のコーライトをする機会がありませんでした。手がける曲が割とメロディアスというか、歌謡寄りの案件が多かったことと、実際ゼロから曲を作っていく、ビジョンから設計していくことが楽しくて、なので割とメロディー先行型でずっとコーライトしてきました。
 でも最近改めてトラック先行だからこそいいメロディーが作りやすいという側面もあるなと思うようになりました。というのも、いいメロディーって流れが自然なんですよね。そして、メロディーの流れというのはだいたいにおいてコード進行の枠組みがその基礎を作っています。となると、盛り上がるに任せて自然なコード進行、自然なリズムアレンジで作られた精度の高いトラックがあれば、そこにどんなメロディーを乗せるにせよ、ある一定の安定感の中でメロディーメイクができるんですね。トラック先行のメリットはエッジが効いたトラックを活かせることだと思っていましたが、なかなかどうして、うまくメロディーが乗ったときの全体の完成度は侮れません。
 逆にメロディー重視だから、といってメロディーから作ることに拘りすぎると、以前の回でお話した「メタメロディー(メロディーの大枠の構造)」がおかしくなることがままあります。僕はさすがにありませんがトニックに戻れない、トニックがはっきりしない、歌の音域都合での不自然な転調、詞先での意図的な仕掛けでもないのにややこしい尺構成、云々。これらはメロディーを甘やかしてしまっているというか、メロディーが気持ちよく活躍できる場を作れていないから発生することです。トラックという制約があることで、伝わりやすい、ジャンル感もはっきりした伝わりやすいメロディーが書けるなと思うことが増えました。
 というわけで、トラックメーカーの皆さんどんどんトラックください。コーライトしましょうw
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Instagram post by ペンギンス(ex.PENGUINS PROJECT) • Feb 19, 2018 at 2:49pm UTC