「年間100曲」ペンギンスのコーライトな日々

コーライティング(Co-Writing)で年間100曲を完成させ、職業作曲家としてメジャーアーティストに楽曲提供しているペンギンスが、毎日のコーライティングで想うことを書いてます。

新たなるコーライトおやつ爆誕

こんにちは、作曲家のペンギンスです。

今日は某所でコーライティングセッションでした。

f:id:PENGUINS_PROJECT:20220330164055j:image

さて、そこで出会った新たなるコーライトおやつのご紹介です。

f:id:PENGUINS_PROJECT:20220330164126j:image

デーツ。

爆誕。

 

ナツメヤシの実をドライしたやつですね。

中東のものだそうです。

 

甘いっちゃ甘いけど甘すぎず

しょっぱいっちゃしょっぱいけどしょっぱくない(言語力)

 

真面目に仕事するにはうってつけです。

 

 

コーライトおやつ?「柿の種」に新たな仲間

こんばんは、作曲家のペンギンスです。

 

最近久しぶりにEDM系のトラック作ってるんですがやっぱり自分がバンドマン出身であることをつくづく意識しますね。

 

リズムをどう解釈するかにせよ、ミックスで各楽器の音色(特にドラム)をどう聴かせるかにせよ、奥底のリファレンスはやっぱり生バンドだから、生っぽいアレンジ、生っぽいミックスになるなと。

 

それは良さでもあり合わない案件もあると思うので、プラグインなり選ぶ時に自分の特性に合ったものを選ぶということと、あとはやはりコーライティングという「変化、成長のためのツール」を最大限に活用して、違うルーツの人とコーライトして違う結果を得ることも大切ですね。

 

さて。真面目な話してしまいましたが(別にしていいのよw)、本日はこんなものを買ってしまいました。

 

f:id:PENGUINS_PROJECT:20220312213134j:image

 

じゃーん。

 

柿の種の新作「ピーナッツだけ」と「ピーナッツなし」!

 

そして後ろにはトニックウォーターとボンベイサファイア。はい、そうですね!ペンギンス大好きジントニックの材料です。

 

いやぁ、亀田製菓さんやってくれましたよ。

 

柿の種の「柿の種」と「ピーナッツ」の割合を、これで自由に変更して(自分で配合して)作れる訳ですよ!!

 

いや、もちろんね、僕も思いましたよ。

 

「柿の種(ピーナッツだけ)」ってなんだよ!それピーナッツだろ!柿の種じゃねぇだろ!

 

と。

 

ま、だけどそれを上回る利便性に負けました笑

 

とりあえず半々で混ぜて食べます。

 

最近痩せてきたのに

また太るな。。。。

 

PS.ジンですが個人的な感想でいうとボンベイサファイアは高い割にそれほど美味しくないと思います。いつもはビフィーターで作ってます。全然こっちで良いです。

 

ただ最近サントリーさんが発売してすごく推してる「翠」というジンはとっても良いですね。家飲みにピッタリの価格帯、味わいで最高です。基本ビフィーターか翠で良いなと思ってます。

 

「推しエコノミー」これから読みます。

お久しぶりになってしまった作曲家のペンギンスです。
春の訪れを感じる今日このごろ。
読書不足だったので久々に紙の本を買いました。

中山淳雄「推しエコノミー」(日経BP社)です。

仲の良い経営コンサルタントの方から勧められ、表紙もインパクトあるし、エンタメに関する必読書として話題のようなので、久々に紙で読むかーと買ったのですがまだ読んでません・・・笑。

読んだら必ずレビュー書く!宣言!

最近のおすすめ曲〜2022年2月〜

こんにちは、作曲家のペンギンスです。
ここ最近のおすすめ曲を貼っていきたいと思います。


「告白」(崎山蒼志、石崎ひゅーい)

これはいいですねぇ。若干二十歳の天才、崎山蒼志とキャリアの長い石崎ひゅーいのコラボ。楽曲提供などで石崎ひゅーいは知っていたし、崎山蒼志のことをくるりやナンバーガールの人たちが天才少年と絶賛していたことも知っていたのですが、いざコラボしてみると相性がよいですね。Coldplayの「Viva La Vida」をほうふつとさせる美しいストリングスと気持ちの良い4つうちに美しいメロディが乗りとても普遍性ということばが似つかわしい素敵な1曲です。

「Light Switch」Charlie Puth

説明不要のチャーリー・プースですが、Elton Johnとのコラボ「After All」も最高でしたが、引き続きサウンドメーカーとしての才能を遺憾無く発揮してくれてます。このBPM速めで2,4でスネアが入るリズム(8ビートの進化版みたいなやつ)、つい最近The Kid LAROI feat.Justin Bieberの「STAY」でも聴かれるけっこうトレンド感あるリズムですがこれなんていうんでしょうね。

最初から色々書いてものちのちプレッシャーになりそうなんで、今月はこの辺で。今後も月イチくらいで色々と気に入ったものは紹介していきたいと思います!

プラグイン強化月間。

おはようございます、作曲家のペンギンスです。
毎日寒いっすね。

さて、機材にあまり頓着しないことで昔から知られるペンギンスですが、
さすがにだいぶ環境が整ってきました。

f:id:PENGUINS_PROJECT:20220131095730p:plain

ここ最近で一気に色々充実しまして。

WAVES Maserati VX1はVocalミックス用のプラグインで、グラミーエンジニアのTony Maseratiのシグネチャーシリーズのひとつ。CLA Vocalsと比べるとやや上品なかかり具合な気がして気に入りました。

WAVES CLA Bundleは今更かいっ!と思う方も多いとは思うんですがChris Load Algeのシグネチャーシリーズ。USロックの大御所エンジニアだけあって音がロックだなという印象で、僕は好きですし、特にCLA Drumsとかは生ドラムにすごく便利なんじゃないかと思います。

(あれですね、ほんと時代遅れと言われることもあるけどやっぱりWAVES使いやすいなって思っちゃう世代ですね僕は・・・w)

Fabfilter Pro-Q3は、、、説明不要のEQの代表的プラグインですが、実際使ってみるとなんだろう?ここまでUIが親切だとEQではあるけどある種の分析ツールというか、良いUIは良い判断をもたらすんだなということがわかるプラグインですね。

そしてOutput Arcadeは後輩のトラックメーカーに勧められて購入したのですがいかにもなダンス系ボイスサンプルなどを直感的にトラックに加えていくことができてとても楽しいです。ソフトシンセという分類になるんですが、すごくボーダーレスにインスピレーションを与えてくれる印象でした。

最後はSNSとかですげーすげーと呟いてしまいましたがSonarworks Reference 4ですね。いわゆる音響補正のキャリブレーションソフトです。メインモニターはじめ、ヘッドフォンまで4種類のソースに全部補正かけてみたのですが非常にフラットな音場でモニタリングできるのでこれでミックスが上達しそうな気がします。(今見たら最新は5なんですね)

というわけで2月も頑張っていきます!

事前に全部公開します!1/23開催「YOASOBI、藤井風・・・サブスクヒットから見る「未来のJPOP理論」」教材ページ【後半】

こんにちは、作曲家のペンギンスです。

-はじめに-

本日のブログ記事は、1月23日に開催するオンラインセミナー「YOASOBI、藤井風・・・サブスクヒットから見る「未来のJPOP理論」-CWF presents ペンギンスTIPSシリーズ   Vol.6-」の事前公開教材です。

既にお申し込み頂いた方は当日の受講までにこのページをご一読頂いてから参加してください。スムーズに内容が理解でき、また事前に質問をまとめるなどセミナーを有効活用できると思います。

またこのブログ記事を読んでためになった!こう言う記事を待っていた!という方はおそらく1/23の当セミナーを受講いただきますと非常に有意義と思いますので、以下のPeatixサイトから是非お申し込みをご検討いただければと思います。

↓↓↓当ブログ記事が事前公開教材となっているセミナーはこちら!↓↓↓
YOASOBI、藤井風・・・サブスクヒットから見る「未来のJPOP理論」
-CWF presents ペンギンスTIPSシリーズVol.6-
https://penguins-tips-vol6.peatix.com/

-本文-

前半の記事では、コードがマイナー進行なのにメジャーのメロディーが乗ることなど、現代のJPOPの特徴的な要素をピックアップしてご紹介しました。後半では、引き続き様々な楽曲を紹介しつつ、リズムやモードといった新たな切り口からも学んでいきたいと思います。

TIPS7「未来のJ-POPのリズム(譜割り)〜裏拍で「終わる」フレーズの余韻」

YOASOBIと並び人気を博すネット系アーティストyamaの「春を告げる」も大ヒットしましたね。この曲からはリズムを学んでみたいと思います。といってもトラックのリズムではなく、メロディーのリズム、つまりいわゆる「譜割り」ですね。音楽理論といったとき、多くの人がコードに偏重してしまいます。メロディーについて考えるとき、多くの人が音程に注目しすぎてしまいます。メロディーの、それも音程ではなくリズムに注目する人はなぜか少ない。でも、そこにこそ重要な真実があるのではないでしょうか。

そしてメロディーについて考えるとき、つい作曲時は「メロディーのはじまり(冒頭部)」に意識を集中してしまいがちですが、真にメロディーの印象を決定づけるのは実はメロディーのおわり(フレーズ終端部)ではないでしょうか?「春を告げる」のメロディーの最大の特徴は、これまで説明してきた現代J-POPのコードワークももちろんそうですが(典型的な「丸サ=丸の内サディスティック進行」ですしね)、メロディーの終わり方にあるといえます。メロディーおわり、目につく箇所がことごとく8分、あるいは16分の裏拍で終わっているのです。

さらに全体の流れのコントロールとして、Bメロだけは例外的に頭拍を強調しているのもポイントですね。

このようにメロディーのリズムにおいても、現代的なJ-POPは進化を遂げているといえるでしょう。

TIPS8「Key=CにおけるF音、G#音等での「エモさのコントロール」が重要」

YOASOBIからさらにもう1曲、「群青」です。この曲もリズムを見ると「知らず知らず隠してた」のところなど、シンコペーションしながらウラ拍を意識したフレージングになっているのにお気づきでしょうか。さらに(Key=Cで表記した場合)ペンタトニックを軸にもつダイアトニックスケールを基本としながら、時折ペンタトニックではない(ダイアトニックではあるけど)F音、さらにダイアトニックからも外れ「あえて」「ちゃんとマイナーする」G#音を使う瞬間も登場します。このあたりのバランスにペンギンスは坂本龍一「戦場のメリークリスマス」の幻影を感じてしまうのですが、脈々と息づく「ナイーヴなペンタトニックだけに収まらない現代日本の音楽表現」の一端といえるでしょう。

TIPS9「革新派だけじゃない。現代における伝統の守り手、あいみょん。」

これまでみてきたYOASOBI等の「現代的J-POP」があふれる中にあって、チャートでひとり伝統の守り手ともいえる活躍ぶりをみせるアーティストがあいみょんです。「裸の心」をみると、Key=CにおけるF音、C音の用法にやはり「ほっとする」気持ちを持つリスナーは多いのではないでしょうか。リズム面でもメロディーのアクセントが表拍にくる、くる!笑 拍頭にしっかり重心をおいたメロディーは、伝統的なコード進行とメロディーの調和とあいまってたいへん安心感を与えます。ちょっと拍頭に重心を極端に置いているきらいもあり、これは「恋」をはじめとする星野源の作品群もそうですが、ここまで頭拍だとかえって現代的という不思議な感覚もありますね。余談ですがペンギンスとしてはミックス(特に、あいみょんの声の)が非常にスマートで現代的な点に注目しています。ソングライティングがオーセンティック(伝統的)なことを、ミックスでバランスをとっているという仮説もありえます。

TIPS10「未来のJPOPはこれだ!コードのフラットを無視する」

miletのシングル「Ordinary Days」のAメロ、「奇跡のような」のところで、Key=CでいうとコードがB♭のところに思いっきりメロディーが「ドシラシド(CBABC)」と2回もBが登場し、コードの構成音のB♭を完全に無視して半音でぶつかってきます。これは凄い・・・!これはまだ「現代JPOP」では禁じ手といえる新しさで、未来の形がついに現れた瞬間といえるかもしれません。このような「半音でぶつかることをアヴォイドと考えない」というスタイルは、もちろんぶつかり方にもよりますが今後さらに増えていくものと思われます。いやぁ、ドキドキしますね。

TIPS11「未来のJPOPの参考に〜フリジアンモードが登場するKPOP」

未来のJPOPの断片はJPOPの中に限らず、もちろん今世界中を席巻しているKPOPのなかにも姿をあらわしています。たとえばBLACKPINKの「How You Like That」等に顕著ですが、わかりやすくトラックにもトップライン(メロディー)にもモード(旋法)を活用するものが増えています。ここではモードとは、という細かい説明は省略しますが、このような「エキゾチックな音階感覚を与える、西洋音楽でレギュラー的に使われない音階」のことをとりたててモードと呼ぶ場合が(実務上は)多いですね。この曲の場合はトラップブームで大流行した「フリジアンモード」が全面的に打ち出されて、強烈な個性を出してます。

TIPS12「JPOPの未来のさらなる一例、フリジアンを活用した最新ヒット例」

今日の終着点であり、未来の予告編となる楽曲。Ado「踊」です。強烈なフリジアンモードですが、不思議とJPOPと調和しています。ゴスロリ的価値観、ヤンキー的世界観とフリジアンは不思議と相性がよく、今後21世紀の日本のヒット曲でじわじわと浸透していく可能性があるなと思っています。

==

いかがだったでしょうか。後半での学びをまとめておきます。

・メロディーのリズム(譜割り)で裏拍を意識することで現代的なリズムになる

・コードとのアヴォイドを恐れず、同時にコードに寄り添うエモいアプローチも取り入れる。

・フリジアンをはじめとするモード的なアプローチの楽曲が未来のヒントになる


といったところでしょうか。

今回はかなり理論的な内容が多く、当日は質問も多数でることが予想されます。お申し込みをされた方には事前課題をお渡ししますので、そちらに是非取り組んでいただくことで、今回提示した「未来のJPOP理論」(といっても一端ですが)に少しでも興味、知的好奇心が掻き立てられる方が増えたとしたらこのうえない喜びです。

ではまた当日、1月23日にお会いしましょう!

事前に全部公開します!1/23開催「YOASOBI、藤井風・・・サブスクヒットから見る「未来のJPOP理論」」教材ページ【前半】

こんにちは、作曲家のペンギンスです。

-はじめに-

本日のブログ記事は、1月23日に開催するオンラインセミナー「YOASOBI、藤井風・・・サブスクヒットから見る「未来のJPOP理論」-CWF presents ペンギンスTIPSシリーズ Vol.6-」の事前公開教材です。

既にお申し込み頂いた方は当日の受講までにこのページをご一読頂いてから参加してください。スムーズに内容が理解でき、また事前に質問をまとめるなどセミナーを有効活用できると思います。

またこのブログ記事を読んでためになった!こう言う記事を待っていた!という方はおそらく1/23の当セミナーを受講いただきますと非常に有意義と思いますので、以下のPeatixサイトから是非お申し込みをご検討いただければと思います。

↓↓↓当ブログ記事が事前公開教材となっているセミナーはこちら!↓↓↓
YOASOBI、藤井風・・・サブスクヒットから見る「未来のJPOP理論」
-CWF presents ペンギンスTIPSシリーズVol.6-
https://penguins-tips-vol6.peatix.com/

-本文-

ニューミュージック、歌謡曲など、邦楽ポップスの名前が歴史と共に変わりつつ、なんだかんだでJPOPが生まれてから半世紀程度が経過しているといってよいでしょう。そんな中で、JPOPという音楽を構成する要素も流行を変えながら歴史を蓄積してきました。この講座は実際にこれから曲をつくっていく作曲家・クリエイターのためのものですので、いたずらに過去を遡ることはしません。この講座ではいま現在の最新のJPOPにスポットライトをあてて、その構造を音楽理論でなるべく解き明かした上で、では、その次の一歩、未来のJPOPというのは音楽理論的にはどのように説明できるのか、というところまで見据えることをゴールにおいています。

これから説明する12のTIPSは、すべて「現代のJPOPの魅力を理論的に解き明かし、次にやってくる未来のJPOPをクリエイトするヒントにする」ためのものです。

では、さっそく未来のJPOPに向けて、旅をはじめましょう!

TIPS1「過去のJPOPがどうだったか〜ヨナ抜き〜」

未来のJPOP理論を語るために、まず「過去がどうだったか」を1曲だけご紹介します。ユーミンの名曲「やさしさに包まれたなら」です。Aメロの後半「不思議に夢をかなえてくれた」の箇所などに顕著な、ペンタトニックスケールと呼ばれる非常に日本的な印象を与えるメロディが特徴です。ここからスタートして、現在のJPOPではどのようにそれが進化したのかをみていきましょう。

TIPS2「伝統×現代。メロディーはシンプルなまま、コードだけ複雑にする」

ここからは現代のJPOPを解説します。まず最初に、過去からの橋渡しとして「シンプルなダイアトニック(Key=Cなら白鍵だけ)メロディーを邪魔しないように、伝統に忠実なコードワークでハーモナイズされている」というパターンをご紹介します。藤井風の「きらり」はメロディにほとんど臨時記号がつかないまま、そのシンプルなメロディーを邪魔しない範囲で洗練されたコードワークがついている曲です。藤井風はファンクミュージクをルーツにもつコードワークに耳がいきがちですが、あくまでメロディーがシンプルなダイアトニックの上で動いている、というイメージをもつことが大切だと思います。

TIPS3「コードは短調(マイナー)、メロは長調(メジャー)という分離に、現代JPOPの核心がある!」

1999年に発表されその後現在に至るまでのJPOPの様相をすっかり変えてしまった超傑作「丸の内サディスティック」です。今日俗に「丸サ進行」と呼ばれるコード進行(洋楽ではJust the two of us進行とも言われますが)が重要であることはすっかり定説となりましたが、ここではそのマイナー感の強い進行の上に、実はメジャーと解釈できる明るいダイアトニックスケールのメロディーが乗っていることにお気づきでしょうか?今回の講座でもっとも核心といえるこの「マイナーコードとメジャーメロの分離」が起きていることについて、ゲスト・吉松さんのTwitterから引用してみます。

このTwitterをみて吉松さんにゲストのお声がけをしたくらいの核心をついた分析だと思います。講座当日は、この内容について重点をおいて解説してみたいと思います。

TIPS4「水平的(モーダル)なメロディ」

ヨルシカ「だから僕は音楽を辞めた」の2番Aメロ「将来何してるだろって大人になったらわかったよ」の箇所。Key=Cに移動させてみた場合でいうとドとミを連打するメロに対して、コード進行はF-G-Am。コードに合わせてメロを作るという発想ではなく、メロディ単体のヨコの動きのシステムがあるという点について、吉松さんにお伺いしていきます。

TIPS5「コードのシャープを無視するメロ」

また今回の重要ポイントのひとつがきました。YOASOBI「三原色」です。Aメロにある「あれからいくつ」というフレーズ。Key=Cに移動させてみると、ラソラソラソド、というダイアトニックスケール上のフレーズに対して、コードはE7。既存の音楽理論だとこのメロの「ソ(G)」音に対するE7の構成音G#がアヴォイドとされるか、#9thというキツめのテンションという解釈になるかと思います。(つづく「朝日を見たんだ」でのメロの「ド(C)」音に対するコードA7の構成音C#も同様。)ただ、これをテンションと捉えるのではなく、マイナーで進行するコードと、メジャーで進行するメロディーが分離している、と捉えるのがSoundQuest流です。講座で詳しく紐解いていきます。当日が楽しみです!

TIPS6「同じコード進行の中、メロディーだけで”調性”と"緩急”を生み出す」

言わずと知れた2020年代最初のJPOPスーパーヒット、YOASOBI「夜に駆ける」です。これまでに述べてきたような手法・理論ももちろんたくさん使われていますが、特にTIPS6として取り上げたいのは「同じコード進行が繰り返される中、メロディーだけで調性のコントロール(メジャー/マイナー)と緩急(盛り上がり)のコントロールを実現している」という点です。この点をしっかり理解すると、同じようにコード進行はほぼループだが楽曲としての抑揚をうまく作る必要があるクラブミュージック系のグローバルポップス(TRAP、HIPHOP系)にも応用が効くので、ここも重点的に解説していきます。コード進行ではなくモード(メロディーの動き)、とくにメロディーの終わり方=着地の意識がポイントになります。

 

いかがだったでしょうか。ここで軽く前半での学びをまとめておきますね。

・コードは短調(マイナー)、メロは長調(メジャー)と分離するのが現代JPOP

・コードとメロの衝突を避けず、良いぶつかりは逆にかっこいいと考えるのが現代JPOP

・コードではなくメロで調性と緩急をコントロールするのが現代JPOP(とくにメロの終わり方が重要)


という感じですね。

後半も、これらのことを頭におきながら読み進めてみてください!

ここまでコードとメロの話に集中してきましたが、後半ではリズムに関する話題も、登場予定です。

それでは後半でまた、お会いしましょう。